薬剤師の人間関係

調剤薬局の難しい人間関係、悩んで見つけた解決の糸口

一般的に調剤薬局というと、3〜4人の薬剤師と事務1〜2人という少人数な職場環境が多いですよね。私の初めて勤めた調剤薬局もそうでした。

 

薬剤師は、40代独身女性の管理薬剤師と30代女性薬剤師2人、そして20代の私と事務1人というメンバーで仕事をしていました。

 

調剤薬局での人間関係が難しいのは、限られた狭い空間で、毎日同じメンバーで仕事をするという閉鎖的な環境のためかもしれません。

 

狭い空間で、忙しさや患者さんからの苦情などのストレスが加わると、どうしても空気がピリピリ、イライラしてしまいます。

 

私の職場の管理薬剤師は、無口で無愛想というのが第一印象でした。仕事を始めてからも第一印象通りで、挨拶をしても、返してもらえないなど日常茶飯事でした。

 

20代で薬剤師としての経験も未熟な私は、早く仕事を覚えて一人前の薬剤師になりたいと思っていたので、自分なりに一生懸命仕事に取り組んでいました。

 

しかし、管理薬剤師に仕事のことを、質問しても「あなたはしなくていい、私がするから」と言われてしまい、自分を否定されているような気持ちになっていました。

 

私が調剤した薬を管理薬剤師に監査してもらう時も、ミスがあると無言で薬を突き返されます。そのため、調剤する時もひどく緊張してしまい、余計にミスを連発してしまうという悪循環に陥ってしまうこともありました。

 

そんなことを繰り返すうちに、私は管理薬剤師に苦手意識を持つようになり、毎日の仕事にストレスを感じるようになりました。

 

朝起きて、「今日も仕事か」と思うと暗くどんよりとした気持ちになっていました。

 

管理薬剤師は、私以外の他の薬剤師に対しても同様に無口で無愛想なのですが、他の薬剤師たちは、特に気にしていないようで挨拶や会話がないのが普通になっていました。

 

私は、何とかこの環境から、脱出したいと転職も考えましたが、20代で薬剤師としての経験も未熟なその時の状況で転職をする勇気はありませんでした。

 

とりあえず、薬剤師としての知識やスキルを身につけて、一人前の仕事ができるようになるまでは、この環境で頑張っていこうと心に決めました。

 

この環境から逃げることは考えない、薬剤師としての知識を吸収し、スキルアップすることに専念すると決めると、不思議なことに徐々に状況が改善されてきたのです。

 

返事をしてもらえなくても、必ず、朝出勤したら「おはようございます」、帰宅時には「お先に失礼します」、何かしてもらった「ありがとうございます」を伝えていました。

 

それでも、やはり返事がないのはさみしいので、自分の頭の中で「おはよう」「お疲れさま」などと勝手に空想で返事をしてもらっていると思い込んでいました。

 

調剤でミスがあった時も、薬を突き返される時に、頭の中で「薬の数が違うから、直してきてくれる?」など優しい言葉を思い浮かべていたので、「はい、すいません。直して来ます」と笑顔で対応することができました。

 

そんな、頭の中で勝手に優しい言葉を思い浮かべる毎日を過ごしていくうちに、私も徐々に管理薬剤師との距離の取り方や、コミュニケーションの仕方がわかってきました。

 

今まで、自分のことばかりで気が付いていなかったのですが、管理薬剤師は誰よりも早く出勤して、一番遅くまで残って仕事をしていました。

 

仕事に関しては、すごくまじめで手を抜かない、面倒な仕事を大量にしないといけない時も黙々とがんばる人だとわかりました。そのため、1人で仕事を抱え込んでしまう事も多いみたいでした。

 

やはりコミュニケーションは苦手みたいです。極度の人見知りで、慣れない人にはほとんど口を開きません。仕事に集中している時にはさらに無口で無愛想になります。

 

人見知りと無愛想のせいで、誤解されやすい人なのかもしれないなと思えるようになってきました。根は真面目で優しい人なのだと感じるようになってきました。

 

ある日、私が薬歴を書く作業が大量にあり残って仕事をしていると、管理薬剤師と2人きりになったのをきっかけに、話をするようになりました。

 

誰でも自分の興味のあることには、口数が多くなるものですが、管理薬剤師と会話を重ねるようになって気づいたのですが、管理薬剤師もよくしゃべる時があるのです。

 

それまで私は管理薬剤師との会話でなるべく避けていたキーワードがありました。40代独身女性ということもあり、結婚、子どもなどの話題はあまりしないようにしていたのです。

 

しかし、実は管理薬剤師には甥っ子、姪っ子がいて、すごくかわいがって面倒をみているようで、甥っ子、姪っ子の話になると、楽しそうに話をしてくれます。

 

まさか、子どもの話題が好きとは、すごく意外だったのですが、楽しく会話できる分野がわかると急に管理薬剤師との距離が近くなれたように感じました。

 

私の周りでも、調剤薬局内の人間関係に苦労している話をよく聞きます。

 

調剤薬局という限られた空間で、年齢も価値観も異なる人たちと共に働くことには、苦労は避けられないのかもしれません。

 

でも、色々な性格の人がいて、その人その人で持つ常識も異なってきます。自分の常識が全てだと決めつけてかかると、人間関係トラブルをこじらせてしまう事に繋がるのかもしれません。

 

この調剤薬局では、挨拶をしてくれない、話をしてくれないなど私の常識からかけ離れた行為に、かなり戸惑いましたが、そんな事態も受け入れることができました。

 

共に仕事をしていくという面では、様々な人の人格的特性は受け入れるしかないのかもしれません。

 

しかし、どうしても人間関係が上手くいかない時には、ストレスで精神を病む前に転職をおすすめしますね。

 

私も、その後結婚を機に転職したのですが、新しい転職先で、笑顔で挨拶してくれる薬剤師に新鮮さと喜びを感じてしまいました。