時間外の緊急連絡

時間外緊急連絡の電話が鳴った・・・。

多くの薬局では、薬局入り口などに緊急連絡先の電話番号を提示して、薬局閉店後でも対応できるようにしてありますよね。

 

私の薬局では、患者さんからの時間外緊急連絡の電話が薬局長の携帯に転送されてくるようになっています。

 

私は、管理薬剤師ではないので、時間外の電話に対応することはないのですが、先日初めて時間外の電話の対応をしました。

 

管理薬剤師が長期旅行で休暇を取っている間、薬局内の薬剤師が交代で緊急連絡の転送を受けるようになったのです。

 

「時々電話がかかってくることがあるけど、そんなに頻繁には、電話は鳴らないから大丈夫だと思うよ。」
と薬局長は言い残して、旅行に出かけて行きました。

 

(その言葉を信じて、気楽に構えていたのですが…。)
しかし、私の担当の日に限って、なんと電話がかかってきてしまいました。

 

かなりあわてた様子の女性の声でした。
「もしもし、昨日皮膚科で処方してもらった私の塗り薬を2歳の息子が食べてしまいた。どうしたらいいですか?」

 

「2歳の子どもさんが薬を食べてしまったのですね。その薬の名前は、わかりますか?」
(どうしよう。子どもが軟膏を食べてしまった場合の対応…。)
電話をしながら、必死で調べていました。

 

「薬の名前は、プロペトです。」
「どれくらいの量を食べてしまったのか、わかりますか?」
「家じゅう床や壁がベトベトで、子どもの口の周りや手もベトベトです。軟膏ツボの中身はほとんど残っていません。」

 

「お子さんは気分が悪そうにしているとか変わった様子はないですか?」
「はい、元気に遊んでいます。」

 

「お子さんの体重を教えていただけますか?」
「はい、12sです。」
「軟膏ツボの大きさは、どのくらいですか?」
「直径3cmくらいで、深さ1〜2pです。」

 

(必死に調べながら、プロペトのヒト推定致死量は体重1sあたり15gと書いてあるのを発見。処方されているプロペトは10gだから、毒性は低い、子どもも元気なら大丈夫そうだな。)

 

「プロペトは毒性が低く、お聞きした量ですと体に異常をきたすことは考えにくいです。お子さんの口の中や口の周囲などをガーゼでふき取り、飲み込んでしまった分は、無理に吐き出させたりする必要はありません。そのまま様子を見ていて下さい。」

 

「良かった。安心しました。」
「もし、気分が悪くグッタリする様子がみられたり、嘔吐や下痢がみられたら医療機関を受診して下さい。」
(この対応で多分大丈夫かな)

 

「ありがとうございます。まさか子どもが食べるとは思っていなくてビックリしてしまったのですが、安心しました。」

 

電話を切った後も、心臓がドキドキしていて、私のとった対応でよかったのか、不安で不安で仕方ありませんでした。

 

今回は、毒性の低い薬の誤飲だったのでよかったのですが、これが大変な薬を子どもが誤飲してしまった緊急性の高い場合など、正直私に的確な対処法をアドバイスができるか自信ありません。

 

もっと、勉強しないといけないことがたくさんあるのだと改めて気付きました。

 

今日一日だけの時間外緊急電話当番でも、かなりのストレスなのに、これを毎日、薬局長はしているんだな、と思うと改めて薬局長を尊敬しました。

 

まだまだ、未熟な私の薬局長への道は遠いと実感したのでした。

 

あとで、この日のことを薬局長に話すと、

 

「へぇ〜、そんな電話かかってきたんだ。そんな電話がかかってくることはほとんどなくて、いつもは“薬の数が足りないとか”“薬局に忘れ物をした”とか緊急性の低いことばかりだよ。」

 

「なんか、薬剤師っぽいし、良い対応だったんじゃない。」
なんて、薬局長は軽いノリで言うのですが…。

 

どうして、私の時にこんな薬剤師としてのスキルを試されるような電話がかかってくるのか…。これから、気を引き締めて勉強していかないといけないな、と思える良い機会となりました。